noteで稼いだという主張、本当なのか?

noteで稼いだという主張、本当なのか? noteで「4ヶ月で50万円稼ぎました」という記事を見かけたことはないだろうか。とくに「noteの方がブログより稼げる」という主張とともに掲載されているものが多い。 しかし、この手の主張には多くの“矛盾”や“眉唾”要素が含まれている。この記事では、実際に見かけた事例をもとに、「本当にそんなに稼げるのか?」という視点から冷静に検証していく。 1. 有料記事のリンクが一切ない 本当にnoteで50万円分も稼いだなら、以下のようなリンクがあって当然だ: 「この記事が一番売れました」 「販売したnoteはこちら」 「AI動画制作ノウハウまとめ(1,000円)」 だが、実際の該当記事では、有料記事の具体例やURLが一切ない。 ※ noteの収益源は、基本的に「有料記事」か「マガジン」 収益の出所が不明な時点で、主張の信憑性は大きく損なわれる。 2. スキ数と収益額が釣り合っていない 確認したnoteのスキ数は、各記事あたり20〜100程度。 しかし、noteで50万円を稼ぐには、仮に1,000円の記事を売ったとしても、 50万円 ÷ 1,000円 = 500本 500人が支払ったという計算になる。 スキ(=好意的な読者行動)数が合計でせいぜい数百なのに、販売数が500部以上というのは極めて不自然だ。 → 普通はスキ数と販売数にある程度の相関がある 3. noteよりブログのほうが本来は稼ぎやすい 「ブログでは稼げない。noteなら稼げる」という主張もセットで語られがちだが、これも事実と異なる。 収益手段 note ブログ 有料記事販売 ◎ note独自 △ 難しいが可能 アフィリエイト △ 外部リンク弱い ◎ ASP自由、SEO導線あり AdSense ✕ 不可 ◎ 標準的なマネタイズ手段 SEOでの集客 △ note内検索・SNS依存 ◎ Googleに評価されやすい noteが有利なのは「note内で売り切る仕組み」があることだけであり、他の面ではブログの方が圧倒的に柔軟かつ収益性が高い。 4. ブログをやっていると収益構造のリアリティが見える noteのようなプラットフォームと違って、ブログでは以下のような数字の相関関係が常識として体感できる: PV(アクセス数)とAdSense収益の相場感(例:1,000PV ≒ 数十〜百円) アフィリエイトのCVR(成約率)やCTR(クリック率) Google検索流入の時間差(インデックス反映まで最低数週間〜数ヶ月) SEO評価に必要なドメイン運用期間と被リンク数 こうした「肌感覚」があるからこそ、noteで「スキ数30だけど売上50万」と言われても、明らかにおかしいと分かる。 5. 本当に売れている人は「売っている」姿を見せている 本当にnoteで稼いでいる人は: 有料記事の中身を無料記事で一部公開 SNSやブログでリンク付きで宣伝 読者とのやり取り・レビュー・質問欄の活発さがある 今回の事例にはこれらが一切ない。それなのに「稼げました」とだけ主張するのは、誇張か偽装の可能性が高い。 ...

May 19, 2025 · 1 min

血液型性格診断の何が問題か|科学的誤謬と人権侵害の視点から

血液型性格診断の何が問題か|科学的誤謬と人権侵害の視点から はじめに 日本では根強い人気を誇る「血液型性格診断」。A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおらか、AB型は変わり者……。こうした分類が、テレビや雑誌、日常会話の中で当たり前のように流通している。 しかし、この「なんとなく当たってる気がする」診断は、科学的にも倫理的にも非常に問題がある文化である。本記事では、その問題点を「科学的根拠の欠如」と「人権侵害の構造」という2つの観点から掘り下げていく。 1. 科学的根拠のない分類:血液型と性格に相関はない 複数の心理学的研究により、血液型と性格の相関関係は統計的に認められないことが繰り返し示されている。 にもかかわらず、「A型だから神経質」といったイメージだけが一人歩きしている。 これは、バーナム効果(誰にでも当てはまる記述を自分に当てはまると感じる心理効果)による錯覚に過ぎない。 2. 「血液型性格診断」はステレオタイプを助長する 血液型は本人の意思で選べない属性である。 それに基づいて性格をラベリングするのは、人種・性別・性的指向などで性格や能力を決めつけるのと同じ構造である。 「B型は自己中だから付き合いたくない」といった言動は、立派な差別行為である。 3. 「会話のきっかけになるからいいじゃん」は詭弁である 「ネタだからいい」「会話が弾むからいい」という意見がある。 しかしそれは、「LGBTをネタにすると盛り上がるからOK」「出身地いじりが面白いからOK」と主張するのと同じである。 “無邪気な差別”は、むしろ最も根深く有害である。 4. 科学的で非差別的な診断ツールはすでに存在する ビッグファイブ理論やFFS理論など、統計的に裏付けられた性格特性診断はすでに存在している。こうしたツールは、再現性や信頼性があり、ラベリングによる偏見を生まない設計になっている。にもかかわらず、血液型診断にすがるのは知的怠慢と言える。 ビッグファイブ (心理学) -Wikipedia FFS理論で学ぶ「指導すればするほど、やる気をなくす部下」のトリセツ 5. 結論:血液型性格診断は、科学にも人権にも反する文化である 血液型性格診断は、科学的に誤りであるだけでなく、他者を「分類しラベリングする」ことでステレオタイプを助長する有害な文化である。しかもそれを「会話のきっかけになるから」と正当化するのは、性別・性的指向・民族をネタにする悪習を無自覚に再生産しているに過ぎない。 これは“無邪気な暴力”であり、知的にも倫理的にも容認できない。 補足:「唾液型」など他の体液に“型”があるのに血液型だけ注目されるのはなぜか 実は、唾液にも「分泌型/非分泌型」という分類があり、血液型と同じ抗原が唾液に出るか否かが決まっている。 しかし世間で注目されないのは、わかりやすさ・露出頻度・歴史的経緯の違いによるものである。 「血液型だけを性格に結びつける」のは、科学的選択というよりも文化的偏見の産物である。

May 17, 2025 · 1 min