三菱商事が「G検定」を昇格要件に導入|AI人材育成の戦略とは?

三菱商事が「G検定」を昇格要件に導入|AI人材育成の戦略とは? このページでわかること 三菱商事がG検定を昇格要件にした背景 G検定とは何か? 難易度や対象範囲 導入の現実性と他社への波及可能性 技術者視点からの評価と懸念点 驚きのニュース──「AI検定」が昇格要件? 三菱商事が「G検定」を昇格要件に導入するというニュースが飛び込んできた。筆者が最初にこの話を聞いたとき、「AI検定とは何だろう?」と素朴な疑問を持ち、調べてみたところ、それは一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する「G検定(ジェネラリスト検定)」であることが分かった。 G検定は、これまでデータサイエンティストやAI開発者のための専門的な知識を測る試験として知られており、「一般社員が対象になるのか?」と疑問を抱いたのが正直なところだった。 G検定の内容とそのハードル 実際にG検定の出題範囲を見てみると、統計学、ニューラルネットワーク、教師あり学習・教師なし学習、強化学習、自然言語処理といった、AI理論の根幹に関わる分野が並んでいる。生成AIの登場により、プロンプトエンジニアリングのような実用的なスキルが徐々に一般にも広まりつつあるが、G検定は依然として理論重視であり、初学者には決して易しい試験ではない。 そのため、「これを一般社員の昇格要件にするのは厳しいのではないか」と感じた。 超大手だからこそ可能な導入? ただし、その導入企業が三菱商事である点は重要だ。高年収・高学歴の社員が多く在籍し、もともと能力の高い人材が集まる環境であれば、G検定レベルの知識を昇格要件とすることも、ある程度合理的であるとも考えられる。 一方で、筆者が勤務するような技術系メーカーであっても、中高年層を中心にG検定の取得はハードルが高いと感じる。全社的な導入は、慎重な判断が必要だ。 他社への波及はあるのか? AIリテラシーの底上げは多くの企業にとって急務だが、G検定のように理論に寄った試験を導入する企業がどれほど増えるかには疑問が残る。むしろ、今後はプロンプトスキルや実用的な生成AI活用法の方が重視される傾向が強まると考えられる。 企業によっては、話題性や経営層の思い付きでG検定を制度に組み込む動きが出るかもしれないが、実務との乖離が表面化すれば、数年のうちに撤回される可能性も高い。 ※(追記)なお、実際にG検定を制度として導入している他社の事例について、別記事でまとめてみた。筆者の懐疑的な視点とは異なり、大企業にて導入の広がりを前向きに捉えていた。 G検定を制度に導入する企業とは|三菱商事の例から広がりを探る 技術者の視点から見たG検定 筆者自身はエンジニアとしての立場から、G検定の内容に対して一定の関心と理解があるため、受験には前向きだ。理論的な背景を知っておくことは、現場での応用や判断力にもつながるからだ。 しかし、それは技術職であるからこその視点であり、非技術系の社員に一律に求めるにはやはり無理があるだろう。昇格要件として運用するならば、選択制や補完的な研修制度との組み合わせが望ましい。 結論──AIリテラシー教育に必要なバランス感覚 G検定の導入は、AIリテラシー向上に向けた先進的な取り組みである一方、その運用には慎重な設計が必要である。知識の深さと実用性、理論と現場感覚のバランスを取りながら、より多くのビジネスパーソンが無理なくAIと付き合える土壌を作ることが、これからの企業に求められる姿だ。 そういえば、10数年前はTOEICの点数を昇格要件として課す企業が流行りのように増えた覚えがある。楽天がその代表で、その後も楽天は英語能力の高さについての噂は継続的に聞く。当時、それに追従しただけの企業は、さて、その制度を今も残しており、ビジネスに活用できている企業がどれほどあるだろうか?

2025年5月7日

情報処理安全確保支援士の罰則は重すぎる?|他士業との比較と検証

情報処理安全確保支援士の罰則は重すぎる?|他士業との比較と検証 はじめに|罰則がある資格って怖くない? 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)には、守秘義務違反に対して「懲役または罰金」の罰則がある。 この点を不安視する声もあるが、他の士業や法律と比べて特段厳しいわけではない。 本記事では、支援士に課される罰則の内容とその背景、他制度との比較を通じて、登録の可否を判断するための視点を整理する。 情報処理安全確保支援士とは 情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格には、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者などがある。これらの資格は難易度としてスキルレベルが設定されており、ITパスポートはスキルレベル1、基本情報技術者はスキルレベル2、応用情報技術者はスキルレベル3と区分されている。 ※情報処理推進機構(IPA)より引用 この区分の中で、最高難易度のスキルレベル4に設定されている資格の一つが、情報処理安全確保支援士試験である。他のスキルレベル4の試験とは異なり、登録制がある、士業として名乗れるなど、いくつかの特殊性がある。その一つとして法律上罰則が規定されており、インターネット上でもこの罰則についてネガティブな意見が散見されるため、罰則について詳細に検証する。 なぜ罰則が話題になるのか? 「懲役」や「罰金」という言葉はインパクトがあり、ネット上でも支援士資格のリスクとして強調されがちである。 特に「独占業務がないのに罰則だけある」という誤解が、不安を助長しているようだ。 情報処理安全確保支援士の罰則について まずは該当の法律について、原文を引用する。 情報処理の促進に関する法律 第25条(秘密保持義務) 情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。情報処理安全確保支援士でなくなつた後においても、同様とする。 ここだけ読むと(少なくとも前文は)「まあ、常識だろう」という印象だが、問題は次である。 情報処理の促進に関する法律 第59条 第25条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 何やら懲役・罰金などという、物々しい文言が書かれている。 不安の声の実例 この条文に対して、インターネット上ではネガティブな意見が散見される(以下引用)。 情報セキュリティという特性上、企業機密や営業機密に触れないことはないため、たとえ重過失だとしても罰則を受ける可能性があるのは大きなリスクとなります。(中略)独占業務がない状況下でリスクのみ抱えるのはセキュリティの専門家としてリスク受容できかねる 出典:https://zenn.dev/tk88e/articles/123b6090cdcfe6 より引用 資格を持つデメリットがある(中略)情報処理安全確保支援士には罰則があり、罰金刑・懲役刑を受ける可能性があります。秘密保持義務違反などを行った場合、有資格であるために刑罰に処される場合があります。 出典:https://qiita.com/Umazular/items/f656dff9a10f9f3c94ad より引用 これらの例では、情報処理安全確保支援士にせっかく合格・登録した専門家が、罰則を理由に自ら登録削除を申し出るという事態にまで至っている。 他の法律・資格と比較した罰則 不正競争防止法 第21条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 「次の各号のいずれかに該当する場合」は煩雑なので省略するが(ここでは秘密漏示した場合と理解してほしい)、注目すべきは「十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」という箇所である。明らかに情報処理安全確保支援士の罰則よりも厳しい。 その他士業の秘密保持義務との比較 医師、弁護士、弁理士、行政書士、税理士、公認会計士など、「士業」の名前が付くものについては、詳細は別記事に秘密保持義務をまとめてある。 各士業の守秘義務一覧 結論:情報処理安全確保支援士の罰則は特段厳しいわけではない 情報処理安全確保支援士の守秘義務違反には、**「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」**という刑罰が規定されている。 この罰則を見て「怖いから登録しない」と感じる人もいるかもしれないが、他の専門職と比較すると、必ずしも特段厳しいとは言えない。 他制度との比較 資格・制度 罰則内容 情報処理安全確保支援士 1年以下の懲役 or 50万円以下の罰金 医師・弁護士など(刑法) 6か月以下の懲役 or 10万円以下の罰金 行政書士 1年以下の懲役 or 50万円以下の罰金 弁理士 1年以下の懲役 or 100万円以下の罰金 不正競争防止法違反(営業秘密漏洩) 10年以下の懲役 or 2,000万円以下の罰金 想定される質問(FAQ) Q. 支援士資格を持っているだけで逮捕される可能性がある? A. ない。守秘義務違反がなければ問題なく、業務の範囲や注意点を理解していれば十分対応可能である。 ...

2025年5月6日

各士業の守秘義務一覧

各士業の守秘義務一覧 情報処理安全確保支援士の罰則に関する以下記事を作成した際、他の士業についても、同程度の罰則があるということを示すため、様々な法律を調べました。その結果を一覧として公開します。 情報処理安全確保支援士の罰則は重すぎる?|他士業との比較と検証 不正競争防止法 不正競争防止法 第21条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情報処理安全確保支援士 情報処理の促進に関する法律 第25条(秘密保持義務) 情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。情報処理安全確保支援士でなくなつた後においても、同様とする。 情報処理の促進に関する法律 第59条 第25条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 医師・弁護士 医師法 第17条の3 前条の規定により医業をする者は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。同条の規定により医業をする者でなくなつた後においても、同様とする。 弁護士法 第23条(秘密保持の権利及び義務) 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。 但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 刑法 第134条(秘密漏示) 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 刑法 第135条(親告罪) この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 行政書士 行政書士法 第12条(秘密を守る義務) 行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなつた後も、また同様とする。 行政書士法 第22条 第十二条又は第十九条の三の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 弁理士 弁理士法 第30条(秘密を守る義務) 弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 弁理士法 第80条 第十六条の五第一項、第三十条又は第七十七条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 税理士 税理士法 第54条(税理士の使用人等の秘密を守る義務) 税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者でなくなつた後においても、また同様とする。 税理士法 第59条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 三 第三十八条(第五十条第二項において準用する場合を含む。)又は第五十四条の規定に違反したとき。 2 前項第三号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 公認会計士 公認会計士法 第27条(秘密を守る義務) ...

2025年5月5日

機械系から見たIPA試験の価値

機械系から見たIPA試験の価値 ――現場主義の壁と、体系知の可能性―― 現場には存在しない「IPA試験」 筆者は機械工学を専門とし、10年近く社会人として実務を重ねてきたエンジニアである。そんな立場から見たとき、IPA試験(情報処理技術者試験)は、機械系の現場ではほとんど話題に上がらない資格のひとつだ。 たとえば筆者の職場は40代〜50代の技術者が中心で、IPA試験の存在すら知らない人も多い。受験しても評価されるわけではなく、「IPAってなに?」という反応がほとんどだ。機械系の現場では「実務第一」「資格より経験」という価値観が根強く、資格取得を軽視する文化がある。 学ぶ関心の変化:技術からマネジメントへ かつて筆者自身も学生時代に基本情報技術者試験の問題を解いたことがある。その当時はプログラミングやセキュリティといった「技術」の部分にしか関心がなかった。しかし、いまは違う。社会人として10年近く働くなかで、むしろマネジメントや経営といった視点の重要性を痛感している。 この意味で、IPA試験の良さは「技術」に加えて「組織運営」や「マネジメント」まで含めた包括的な知識体系を学べる点にある。プロジェクトマネジメントやシステム開発手法、経営戦略など、機械系の専門資格ではほとんど扱われない領域が、IPA試験では当たり前のように出題される。 プロジェクトマネジメントという“共通言語” 一方で、こうした体系的知識の価値は、機械系ではなかなか浸透しにくい。プロジェクトで「スクラム型開発を取り入れてみたい」と若手が提案したとしても、「そんな言葉聞いたことがない。勝手にやり方を変えるな」と年長者に一蹴されることも少なくない。マネジメント理論に基づく議論の土台がそもそも共有されていないのだ。 情報系では「スクラム」や「ウォーターフォール」などの開発手法を、深く理解して実践できるかは別としても、資格試験などで一度は耳にしているため、最低限の共通言語がある。そのため新しい概念にもある程度の耐性がある。だが機械系ではその「共通言語」が欠如している。そもそも管理職層がマネジメントを学術的に学んだことがないケースも珍しくない。 IPA試験を通じた“相対化”の視点 こうした背景から、機械系技術者である筆者は、IPA試験にて"共通言語"が浸透している情報系の分野をうらやましく思っている。たとえ直接の実務に直結しなくても、異なる業界で体系化されている知を知ることで、自分たちの分野の“常識”を相対化するきっかけになる。現場主義の功罪を見直すツールとして、IPA試験は機械系技術者にとっても、じゅうぶん価値があるのだ。 具体的に、機械系(CAD試験、機械技術者試験)とか、化学系(危険物取扱者、毒劇物)とか、電気系(電気工事士、電験三種)試験で、IPA試験のように「プロジェクトマネジメント」や「組織運営」といったマネジメント関連の知識を問うものがあるだろうか? もしそのような知識が体系的に問われないのだとすれば、私たちの属する業界は、プロジェクトの進め方や組織の在り方において、重要な共通言語を持たないまま仕事を続けているのかもしれない。

2025年5月1日

応用情報技術者と行政書士は“同レベル”?

応用情報技術者と行政書士は“同レベル”? 技術者にありがちな自己評価の高さに違和感 Wikipediaの「同程度」表記に驚き 日本語版Wikipediaの「応用情報技術者試験」のページには、行政書士試験と“同程度の難易度”という記述がある。これを初めて見たとき、私は目を疑った。応用情報技術者試験(以下、AP)はすでに取得済みであり、行政書士試験についても一定の関心を持ってきたが、その感触からしても、この評価には大きな違和感がある。 私は、行政書士試験そのものをきちんと学んだわけではないが、憲法・民法・商法・行政法については入門書レベルの学習をしており、行政書士のテキストや問題集を眺めてみたこともある。その上で感じたのは、「これは単に“ジャンルが違う”というだけでは片付かない違いがある」ということだった。 技術資格と法律資格の「質的な違い」 APは、IT知識全般に関する幅広い出題と、午後試験での記述問題を特徴とする。情報系出身者であっても一定の準備が必要であり、合格率は例年20%台とされている。ただし、これは「ITにある程度慣れた人」にとっての話だ。 実際、応用情報は本気で学習すれば、午前は過去問道場で10年間分の過去問800題×最低2周、午後は、数年分を1回解いて問題形式に慣れれば、「午後は国語問題」と揶揄されるように、国語能力が高ければ合格することも十分可能だ。つまり、論理的な文章読解と基礎知識があれば、一定の効率で突破できる構造になっている。 対して行政書士は、法律系の国家試験であり、主要科目は憲法・行政法・民法など。中でも行政法の分量が非常に多く、条文暗記と判例の理解が求められる。ITと異なり、根本的に「言葉の意味」や「文脈での正確な理解」が問われるため、知識の性質がまったく異なる。 技術者がはまりがちな“自己評価バイアス” IT業界に身を置いていると、「自分の分野の知識は専門的で高度だ」と無意識に考えてしまうことがある。数式がある、アルゴリズムがある、暗記より理解が求められる──それゆえに、法律系資格を“文系の暗記モノ”と軽視しがちだ。 しかし、実際に行政書士の教科書を開いてみると、この思い込みが崩れる。制度の細かさ、言葉の使い分け、問われる判例知識──いずれも“実務的かつ精緻”であり、IT系資格とは別種の知的体力が必要だと感じた。 「合格率」だけで測れない難易度 Wikipediaの“同程度”評価は、おそらく合格率など数値上のデータを根拠にしている。しかし、合格率が似ているからといって、試験の難易度が等しいとは限らない。受験者層の前提知識、出題分野の異質性、学習に要する時間の質と量など、無視できない要素が多数ある。 たとえば、APは情報系出身者にとって“すでに知っている内容”も多いが、行政書士は多くの人にとって未知の法体系との初対面である。そこには、「慣れ」の壁がある。 本当に難しいのは「慣れない分野」 私自身の経験から言えば、「応用情報」と「行政書士」を並べて同列に語るのは、乱暴すぎる。分野が違えば、戦い方も異なる。そして、もっとも厄介なのは、自分が普段触れていない世界の知識に飛び込むときだ。 だからこそ思う。「本当に難しいのは、“慣れていない分野”の資格試験だ」と。自分の専門分野に安住せず、異なる体系の知識に敬意を払う視点こそ、プロフェッショナルとしての謙虚さなのではないだろうか。

2025年2月1日

2024年資格試験結果をまとめました。

2024年資格試験結果 2024年に合格した資格試験を記す。 ITパスポート 情報セキュリティマネジメント 応用情報技術者 2次元CAD利用技術者2級 知的財産管理技能士3級 2025年はより高度な試験に合格したい。また、これら試験では、まだ本格的にAnkiを活用していなかったので(応用情報技術者試験では大いに活用したが)、2025年は本格的に活用する予定だ。

2024年12月31日

30代・未経験から合格した応用情報技術者試験の勉強法|過去問道場とAnki活用

30代でITパスポートから情報セキュリティマネジメント試験(SG)を経て、応用情報技術者試験(AP)に合格した。完全に未経験の状態から独学で積み上げた学習記録の中でも、特に効果的だったのが「過去問道場」と「Ankiアプリ」の組み合わせだった。この記事では、その具体的な方法を記録しておく。 学習法の要約 過去問道場で午前問題を解く 解けない問題をAnkiにて反復学習する(過去問道場の課金をおすすめ) 直近数年分の午後問題を解く(過去問道場への課金を超おすすめ!) まずは「午前試験」――合否のカギはここにある 応用情報技術者試験の学習を始めるにあたって、まず意識したのは、午前問題に全力を注ぐことだった。ネットで応用情報技術者試験の情報を集めると、こんな言葉が並ぶ。 「午前が解けないなら午後に進む資格なし」 「午後問題は午前の知識が前提」 「午前を突破しないと午後は採点すらされない」 確かに実際に解いてみると、午前問題はほとんどが暗記・知識系の問題である。努力が反映されやすい構成になっており、「ここを落とすのは圧倒的な勉強不足」と言われるのも納得する。 過去問道場+Anki=記憶定着の黄金パターン 午前問題対策には、情報セキュリティマネジメント試験でもお世話になった過去問道場を引き続き活用した。今回はさらに、課金して使うという選択をした。 なぜ課金をしたのか? ネットでの合格体験記を見ると、過去問道場は午前対策としてほぼ必須で使っていて、どの合格体験記も過去問道場を絶対的なオススメとして紹介している。わたしも同意見だ。受験者は皆、このサイトを使わないという考えは捨てた方が良いとさえ思う。 しかし意外と、課金してまで使っている人は見ない。このため、課金したときのメリットを紹介することとする。 理由①:問題文と解説がコピペ可能となる。 理由②:コピペ可能となったことで、苦手な問題をコピペして、スプレッドシートやテキストなどで管理しやすい。わたしの場合、Ankiというアプリを使っているので、なおさら良い。 理由③:午後問題・解説PDFも入手可能 ←これ知らない人がめちゃくちゃ多いと思う。 補足として、Ankiアプリとは、エビングハウスの忘却曲線に従った復習スケジュールで学べる、非常に強力な反復学習アプリのことだ。 過去問道場で出会った「知らない単語」や「解けなかった問題」はすべてAnkiに登録し、反復によって知識の定着を図った。 この方法、面倒ではあるが、短期詰め込み型では得られない長期記憶としての蓄積ができるのが強みである。 ITパスポートと応用情報技術者の違い 「まずはITパスポートから始めた方がいいのか?」という質問はよくある。 わたしの場合、30代からIT資格を目指すにあたって、実際にITパスポート → セキュリティマネジメント試験(SG) → 応用情報(AP)とステップを踏んだ。 ITパスポートは、ITに関する広く浅い基礎知識を問う完全な入門試験であるのに対し、応用情報は実務に即した専門的な内容まで求められる。たとえば、ネットワークやデータベース、情報セキュリティなどが出題範囲に含まれ、午後試験では記述式の問題もある。 そのため、IT業界未経験であれば、IPやSGを経由してからAPに進むルートは今でも非常に有効だと感じている。 午後問題は「緑本不要」 午後対策として定番の「緑本」、正式名称は『応用情報技術者 午後問題の重点対策』も購入したが、ほぼ使わなかった。 2025 応用情報技術者 午後問題の重点対策 ITEC出版 / ITEC教育研究会(著) 午後試験の定番対策書(2024年12月発売) Amazonで見る 午後問題対策といえば、よく挙げられるのが「緑本」。正式名称は『応用情報技術者 午後問題の重点対策』で、毎年発売され、表紙が緑色なので試験対策ブログ等で「緑本」と呼ばれている。実際、noteやQiitaなどでも、「文系だけど合格できた!」と書かれた記事の多くが、午後対策にこの緑本を推奨していた。 ...

2024年12月1日

IT未経験でも取れる? 応用情報技術者試験に挑戦する理由

キャリアを見直したくなったあなたへ 「このまま今の仕事を続けていて、いいのだろうか?」 そんな気持ち、ふとしたタイミングで湧いてきたことはありませんか? 私の場合、それは転勤と業務変更がきっかけでした。大学卒業以来、同じ企業・同じ部署で働き続けてきましたが、環境が変わったことで、ふと自分の知識やスキルを棚卸ししたくなったのです。 振り返ってみると、業務の多くは社内調整。対外的にアピールできる資格はほとんどなく、「このままでいいのか」という焦りがじわじわと広がっていきました。 手始めにITパスポートを受けてみた そこで目を向けたのが、情報処理技術者試験。ITにはもともと興味がありましたし、IPAの試験はPC受験が可能で、特にITパスポートは随時受験できるという点が魅力的でした。 「まずは試しにやってみよう」と思い、ほとんど勉強せずにITパスポートを受験。結果はまさかの合格。正直、「簡単だったな」というのが率直な感想です。 ただ、これだけだと物足りない。大学生の就職活動でも心もとないレベルの資格。せっかくなら、もう一段階難しいものに挑戦したいと思いました。 セキュリティ分野に進んでみた 次に選んだのが、情報セキュリティマネジメント試験です。こちらはセキュリティに特化した内容で、問われる知識もぐっと広く深くなります。 さすがに無勉では難しいと判断し、「過去問道場」という無料の学習サイトを使って、しっかり勉強しました。このサイト、使ったことありますか? 課金なしでも十分すぎるほどの演習ができて、本当におすすめです。 そのおかげで無事に合格できたときには、やっと「自分の力で得た実感」が持てました。 なぜ応用情報なのか?──その先を見据えて 「もっと上を目指したい」という気持ちが生まれたのは、情報セキュリティマネジメントに合格してすぐのことです。 ただ、資格取得そのものが目的ではありませんでした。 本当のところは、年収や昇進につながるような“使える資格”が欲しかったんです。 私はもともと機械系のエンジニアですが、中小企業診断士や弁理士のような国家資格も、どこかで気になっていました。そんなときに知ったのが、応用情報技術者に合格していると、これらの試験で一部免除が受けられるという制度。 「あ、これは自分にとって橋渡しになる資格かもしれない」と思いました。 あなたにも「その一歩」は踏み出せる 応用情報技術者試験は決して易しい試験ではありません。問われるのは、単なる知識だけでなく、マネジメントや戦略といった総合力です。 でも、IT未経験だった私でも、ステップを踏めばここまで来られました。 だからこそ思うのです。 「興味はあるけど自分には無理かも」と思っている人にこそ、まずはITパスポートやセキュスペから、ぜひ試してみてほしいと。 私もまだ道半ばですが、「応用情報に挑戦する」と決めた今は、不安よりも楽しみの方が勝っています。 この試験が、自分の可能性を広げる一歩になると信じて、進んでいこうと思います。 実際の学習方法 実際の学習方法に関する記事はこちら。 応用情報技術者試験の勉強法|過去問道場とAnkiアプリ

2024年7月13日

【30代・未経験からの挑戦】ITパスポート試験の体験談と合格後の話

30代のIT未経験社会人が、ITパスポート試験を受けてみた。その点数と受験体験を記録し、そこから先にどんなステップアップをしたのかを振り返る。 なぜ30代未経験の社会人がITパスポートを選んだのか? 入社以来、同じ仕事を継続して行ってきたが、転勤・業務変更の機会(強制)が生じた。仕事内容が変わるのにあたって、改めて自分を振り返ってみると、資格などの対外的な評価がほぼない状態で30代に突入してしまっていた。この反省と焦りから、本腰を入れて資格勉強を進めたいと思い、まずは、いつでも試験を受けられて簡単な資格から、ということで、ITパスポート試験を受験した。 社会人がITパスポートをノー勉で受けた結果 受験の志はあったものの、受験勉強をろくにせずに、思い立ったが吉日で最短の日程を申し込んだ。当然、ろくに勉強しないままの受験となった。言ってしまえば、受けることそのものが目的だったとも言える。 ITパスポート試験当日の雰囲気(年齢層や服装は?) CBT形式の為、他の受験者が同じ試験を受けているのかも分からないが、やはり学生が多いように感じられた(後に応用情報技術者試験を受けた際には、年齢層の違いを明確に実感した)。そのため、自分が場違いで恥ずかしい感じがしたのも事実である。 なお、「ITパスポートを社会人が受けるのは恥ずかしいのか?」というテーマについて、より深掘りした別記事もあわせて読んでみてほしい。 ITパスポートは社会人が受けると恥ずかしいのか? 合格スコア公開|ITパスポートで自分の実力を知る 試験結果は以下の通り。自分としてはそこそこ取れたつもりだったが、配点を見ると「この程度でも3割以上落としているのか」と感じた。 ストラテジ系:555点 マネジメント系:615点 テクノロジ系:715点 総合評価点:665点 なお、合格基準は以下の通り。 ストラテジ系:300点以上/1,000点 マネジメント系:300点以上/1,000点 テクノロジ系:300点以上/1,000点 総合評価点:600点以上/1,000点 さすがに初歩の試験なので、難しいとは思わなかったが、合格と言う結果から慢心せず、「ITパスポートで問われる知識ですら、3割以上点数を落としているんだぞ」と自分を脅すようにして、その後の情報セキュリティマネジメント試験、応用情報技術者試験へと進む気力を出すよう、自分を叱責した。 ITパスポート合格後の資格ステップアップ体験談 社会人になって受けるのも恥ずかしいくらいの試験ではあるが、受験したことも無いのも恥ずかしいと思い、行動に移したことは正解だった。その後、順調に情報セキュリティマネジメント試験、応用情報技術者試験を受け、見事一度で合格している。 このITパスポート試験は、自分にとって“合格”よりも“出発”の象徴だったのだと思う。 応用情報技術者試験への挑戦の過程は以下記事にまとめてある。 IT未経験でも取れる? 応用情報技術者試験に挑戦する理由 応用情報技術者試験の勉強法|過去問道場とAnkiアプリ

2024年5月25日 · (updated 2025年6月10日)

機械系資格一覧

機械系資格一覧 機械系に関する資格を一覧として羅列してみました。取得している資格、取得を目指している資格等色々あり、いずれ解説したいと思いますが、まずは一覧まで。 なお、2025年の機械系資格の申し込み日、試験日などは以下記事にまとめてある。 2025年機械系資格カレンダー 設計・CAD 2次元CAD利用技術者1級 2次元CAD利用技術者2級 3次元CAD利用技術者1級 3次元CAD利用技術者準1級 3次元CAD利用技術者2級 機械・プラント製図技能士1級 機械・プラント製図技能士2級 機械・プラント製図技能士3級 機械設計技術者3級 QC QC検定1級 QC検定2級 QC検定3級 QC検定4級 知的財産 知的財産管理技能士1級 知的財産管理技能士準1級 知的財産管理技能士2級 知的財産管理技能士3級 計算力学 計算力学技術者 技術士 技術士 技術士補

2024年5月1日